サッカーは多くの方々に希望と興奮を与えてくれるスポーツではありますが、クラブ側と国の代表側は基本的に非常に仲が悪いです。これはずっと前から言われ続けている問題ではありますが、解決することは無いと言われております。
■クラブ側からすると代表戦はただのマイナス?
基本的にサッカーのクラブ運営側とそれぞれの国代表を運営する方々は仲がとっても悪いです。はっきり言ってしまうと敵と思っているかもしれません。とくにクラブ運営側はそのように思っている人たちが多いでしょう。その筆頭が元FCバルセロナの会長であるジョアン・ラポルタ氏です。
彼はなかなか過激な発言が多い人で、代表を軽視する発言を良くしております。その中の一つが「うちの代表選手にはバルサに対する義務がある」とか「代表で調整して筋肉の負荷が無く帰ってきてほしい」といったものです。もちろん、一部のチームメイトからは反発の声もありましたが、この人が言っていることはただ一つであり、「給料を払っているのはクラブだからクラブで全力でやるのは当たり前、クラブ第一にするべし」というものになります。
個人的にはこの意見にはとっても納得できると思っておりますし、そもそも自前で大切に育てた選手を無償で代表にとられることがおかしいという考えがもとにあると思います。選手とクラブの間には雇用契約があるのでできる限りクラブのために働くのは当たり前のことですし、必死に育てた選手がボロボロになって帰ってくるのは迷惑以外の何物でもないでしょう。
しかし、国際Aマッチデーの代表召集拒否は処罰対象で、所属クラブでの出場停止処分を受けてしまうことすらあります。また、いくら拒否しても強引に呼ぶことも可能となっているので、多くのクラブ運営側が不満に思っているのは当たり前のことなのです。
日本サッカー協会の基本規定にも同じようなことがはっきりと明言されており、「所属選手が本協会により代表チームまたは選抜チーム等の一員として招聘された場合、当該選手を参加させる義務を負う」とか「代表チームまたは選抜チーム等の一員に選出された場合、当該選手をこれに参加させる義務を負う」と記載されているので、義務権が発動しております。
■その気になれば代表引退も無視できる
サッカー選手はクラブチームの方を優先したいということから、代表引退を宣言する人がたくさんいます。しかし、あれはあくまで紳士協定なので、無理やり参加させることが可能なのです。現役でサッカー選手として戦い続ける限り永遠に呼ばれる可能性があり、クラブだけを優先して戦うことはできないということになります。
国によって違うようですが、代表選でけがを負った場合はある程度保証はしてくれることもあります。しかし、クラブ側からすると大幅な戦力ダウンに繋がり年俸は結局その補償費では賄えないことのほうが多いので、ただ単に迷惑をこうむって終わってしまうことになるのです。
これらの事情によって、クラブ側と国際サッカー連盟や国の代表はすこぶる仲が悪くなります。けがをした場合、選手の年俸といったものを負担するとか、クラブ側にレンタル料を払うようにするといったシステムがあれば多少はましになるでしょうが、そのような日は来ないでしょう。