Home>スポーツ>スティーブ・バートマン事件を知ってほしい
スポーツ

スティーブ・バートマン事件を知ってほしい

2017年において非常に大盛り上がりとなった「ワールドベースボールクラシック」ですが、その中できわどいホームランボールをキャッチしてしまうという事件があり、一部の人たちは今でもその時の映像を鮮明に覚えていることでしょう。そのような人たちこそ「スティーブ・バートマン事件」というものを覚えていただきたいのです。

 

■スティーブ・バートマン事件とは

 

スティーブ・バートマン事件とは2003年10月14日に行われたメジャーリーグでのナショナルリーグチャンピオンシップシリーズの中で発生した大事件です。これは1908年のワールドシリーズを制してから全くシリーズ制覇ができておらず「ヤギの呪い」とまで揶揄されているカブスが、その呪いを破ってワールドシリーズに出られるかも知れない大事な試合の中で発生したもので、メジャーリーグのファンならほとんどの方が知っているものでしょう。

 

この事件は、一死二塁となった8回に相手打者がファールボールを打って補給できる球を打ち上げたのに、スタンド最前列のファンがはじき落としてしまったのでアウトにすることができず、その後の大量失点につながって大逆転負けをしてしまい、ワールドシリーズ進出を逃したというものです。

 

この守備妨害をしたファンの顔がテレビで大々的に報道されてしまったことから、現代ほど発展していなかったネット社会でも個人情報を特定できるようになってしまいインターネット上で公開されてしまいます。さらには、シカゴ・サンタイムズ紙がこのファンの職業や家を掲載してしまうという日本では考えられないことを実行したので、一気に情報が拡散してシカゴファンの「敵」になってしまったのです。

 

これは、その後にチームがしっかり押さえて勝ち抜けばここまで大問題にならなかったでしょうが、この守備妨害から、四球につながりあれよあれよと失点して大逆転されてしまったのが痛恨過ぎたのでしょう。

 

怒りが収まらないファンはヒートアップして試合後バートマンが襲撃されてしまい、さらには嫌がらせ電話が殺到するようになり、電話番号も変えて仕事も住所も変えてしまって、人生を完全に破壊された状態になってしまいます。

 

アメリカの他の番組でもこのキャッチングが取り上げられるなど、大きな話題となってしまったのですが、例え妨害をしたのは事実であったとしてもここまで個人情報を特定してしまい、その個人の家庭をぶち壊すのはやっていいことではありません。

 

この事件は個人情報といった今に生きる時代の方々においてどのように対応するのが正解だったのかを議論するための題材としても扱われており、ある意味、野球ファンの教訓として扱われるものとなってしまいました。

 

■日本でも問題となったホームランキャッチ

 

日本でも大問題となったWBCの幻のホームランですが、あの試合を接戦で落としていた場合はおそらく同じようなことが起こったと思います。テレビ放送も過激になり大きな議論にまで発展したでしょう。だからこそ、今回のようなネット上での大炎上を防ぐべく、日本の野球にちょっとでも興味がある方は、このスティーブ・バートマン事件の末路を見ていただきたいのです。