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テレビ業界も苦しい?地デジ化の悪影響とは

今では当たり前になった地上デジタルテレビ放送ですが、実はその影響がテレビ業界において悪い方向に働いているという説があります。その結果、テレビ自体が面白いものを作りにくくなってしまい、転落する一要因にもなっていると言われているのです。はたしてどういうことなのでしょうか、

 

■地デジの移行で設備投資が一気に増加

 

テレビの企画を作って運用するというのは想像以上にお金のかかるものです。そのため、必要経費が一気に増大することで、制作費が減ってしまいテレビ業界で働いている方々に悪影響を与え続けるようになってしまいました。

 

制作費が下がってしまうと、薄利多売が先行するようになるので、できる限り人手を減らしてタレントの質も低下させる必要性が出てきます。もっときつい現実だと、地方に取材に行くのなら昔は2人体制だったところを、1人で行かせるようになったり個人の負担が格段に増えてしまっております。

 

また、制作費が減ったことでできる限り経費を削減する傾向が加速し、技術プロダクションに委託するような動画撮影もほとんどがディレクター任せになってしまったり、編集も行うようになったりと仕事が加速度的に増えていってしまったようです。

 

さらに悪化したことを示す要因として、正社員も急激に減少し10年くらい前は8割が正社員だったのに4割まで低下したという意見もありました。はっきり言って異常事態と言えるのではないでしょうか。こうなってしまうと、正社員の仕事の内容が一気に増えてしまうので、一人一人が苦しくなってしまい、熱意といったものも無くなってしまうでしょう。

 

■経費削減からくる負の連鎖

 

技術革新によってあらゆるものがコンパクトになり、作業がしやすい環境が増えていっております。しかし、そのことから今までは外に依頼していたものをすべて社内で作業するようになってしまって、作業内容が増えてしまうという悪循環を生むことがあるのです。これに制作費削減や設備投資増加が加わるとまずいスパイラルに突入します。つまり、以下の通りです。

 

地デジ化によって設備投資が増える→制作費が減る→一人の作業量が増える→新しい機材でできることが増える→外注に依頼しないで社内で対応することになり一人の作業量が増える→制作費は増えないで一人一人の作業量が増えることでやる気が低下し熱意の無い番組が増える→視聴率がとれないので制作費が下がる→制作費が下がることで一人一人の作業量が増えてやる気が無くなる→やる気のない番組が増えたことで視聴率が低下する→…

 

この負の連鎖の中に今のテレビ業界がいるので、抜け出すことは非常に困難なのではないでしょうか。

 

■非正規雇用が増えたことの悪影響がテレビ業界にも

 

会社としての経費削減方法として、人件費を削るというのは間違いなく有効な方法です。しかし、正社員が減りすぎることで正社員の仕事が急激に増え責任も増えるので、やる気が低下する恐れもあります。やる気のないテレビは見ている人にも分かるもので、視聴率は絶対にとれないものなのです。はたしてこの負の連鎖は断ち切ることができるのでしょうか。