不動産を購入する時だけでなく、相続や贈与などで名義変更をするケースもあります。そこで、ここでは手続き方法、費用などについて紹介します。
名義変更についてご紹介
不動産の名義変更とは
不動産の名義変更というのは、法務局に必要な書類を届出て、所有者の名義を変更することです。このことで第三者に所有権を示すことができます。
届け出は自分でできるの?
自身で届出て変更することは可能です。ただ、利点や欠点もあるのでよく確認しましょう。
利点をご紹介
必要書類を揃えるためには費用が必要になりますが、自分で届出を行うことで司法書士などの専門家への報酬を支払う必要がなくなり、費用を抑えた届け出が可能になります。
欠点をご紹介
自分ですることの欠点として挙げられるのが、書類を揃えるのに手間がかかるということです。書類は役所に出向いて手に入れる必要があり、遠方で生活 している人は、郵送などを利用するため揃えるのに時間がかかります。さらに、場合によっては、遺産分割協議書、贈与契約書、財産分与契約書などの書類作成 も必要になります。届け出る書類が揃えば法務局に提出するのですが、作成ミスがあれば法務局に出向いて修正をします。
手続きにはどのくらいの時間がかかるの?
一般的に、書類の収集で1~2週間程度必要になります。相続の場合では書類が多くなるので通常2~4週間かかります。さらに、提出して審査が行われ、この審査で1~2週間かかるので、順調に行ったとしても1ヶ月はかかると考えておいた方が良いでしょう。
名義変更が必要になるケースをご紹介
一般的にはこの手続きが必要となるのは下記のケースがあります。
1.遺産相続
2.生前贈与
3.財産分与
4.不動産売買
上記の4つのケースで名義変更が必要になります。
遺産相続
手続きの流れ
遺産相続では、まず不動産に関する情報を集めて、所有者を確認するために登記簿謄本を入手します。そして、相続人の確認のために戸籍や住民票などの 書類も入手する必要があります。その後に、固定資産税の評価証明書を取得して、相続登記申請書類を作ります。書類ができれば管轄の法務局に申請して、登記 の完了を確認するという流れです。
相続登記はいつまでにするの?
相続登記の期限は法的に決まっているわけではありませんが、売却する場合には登記をしてからになります。
必要な費用には何があるの?
・書類の取得費_必要な書類を取得するには1万円~2万円程度必要です。
・登録免許税_5の税金は不動産の評価額の0.4%を納付します。
生前贈与
生前贈与とは、所有者が生前に、自分の財産を譲ることを言います。この時の名義変更の流れとしては、まず所有者を確定するために登記謄本を入手し、相続人を確認するための戸籍や住民票も入手します。その後、贈与するための申請書類を作成し、管轄の法務局へ申請します。
生前贈与では、法律上の期限はありませんが、贈与契約が成立しているのに届出ていないとトラブルの原因になることから、契約が成立してから1ヶ月以内には済ませておく方が良いでしょう。
費用
必要となる書類を揃えるために数千円程度の費用がかかります。また、年間で110万円を超える贈与を受けた人は贈与税を収める必要がありますし、不動産取得税や登録免許税などもかかります。
離婚時の財産分与
この時の手続きの流れとしては、まず夫婦間で財産をどのように分けるかを話し合う必要があります。話し合いが終われば、元の名義人の確認のために登記謄本、新しい名義人を確定するために戸籍や住民票などの書類を揃えます。後は申請書類を作成して管轄の法務局に届け出ます。
財産分与では法的にいつまでにしなければいけないという期限はありませんし、ローンが残っている財産でも分与可能です。
費用
費用としては、必要書類を取得するために数千円程度の費用がかかりますし、登録免許税、不動産所得税などの税金もかかります。
不動産売買
手続きの流れとしては、売買契約が成立したら、買う側を確認するための戸籍や住民票を手に入れて、名義変更のための申請書類を作成します。売る側 は、確認のための登記謄本を入手します。売る側は物件を引渡し、買う側は代金を支払います。決済が完了すれば、管轄の法務局に届け出ます。
届出は、一般的に決済日と同じ日に届出を行います。
費用
売る側
書類を取得するために数千円程度の費用、登録免許税や譲渡所得税の費用がかかります。
買う側
登録免許税、不動産取得税を納税する必要があります。
手続きを司法書士に依頼する方法は?
手続きは自分でもすることができますが、書類作成に不慣れであることで思った以上の時間がかかってしまいます。スムーズに済ませたい人は司法書士に依頼をすることを考えてみましょう。
司法書士への報酬は、5万円程度が一般的な相場です。ただこの費用は不動産の種類によって異なることもあります。
依頼する事務所を探すには、インターネットで検索すれば近くの事務所も簡単に見つけることができるでしょう。