子どもが欲しいと妊活を始めて1年。授かることができない人も少なくありません。不妊治療に踏み込んだもののの、タイミング療法や排卵誘発剤を行っても妊娠をしない場合、人工授精にステップアップします。
耳にしたこともある人が多いのではないでしょうか。
●人工授精
これは、排卵のタイミングで男性側にマスターベーションをしてもらい精子を採取し、その精子を洗浄濃縮して元気な精子たちを選び、子宮内に注入する方法です。
性行為を行う際に、精子のスタート地点は膣内ですが、人工授精の場合は子宮の奥ということで、精子と卵子が出会うまでの距離が約半分になるのです。
●人工授精をするには
・排卵があること
・子宮や膣があること
・卵管の通過性が片側はあること
・元気な精子が一定数以上いること
が条件になってきます。
もちろん、排卵がしにくい場合や卵が大きくならない場合などは、排卵誘発剤も同時に行います。
●人工授精の流れ
①基礎体温から排卵時期を予測
過去の基礎体温から排卵時期をみていきます。人によって月経周期もそれぞれですので、その人に合わせた排卵時期があります。少なくとも3クール分の基礎体温表があると良いでしょう。直近のものが良いですね。
②卵胞の成長をチェック
排卵時期が近付いてきたら、卵胞の大きさを経腟超音波検査で測ります。その大きさを測ることで、卵胞の成長度合いが分かるのです。
③排卵検査薬の使用指示
排卵検査薬を使うように指示する病院もあります。指示が出た場合は確実に使用をして、排卵検査薬で陽性が出るのを待ちましょう。
④人工授精へ
この排卵検査薬を使用して陽性が出たら、男性側に採精してもらいます。速やかに人工授精の処置を受けましょう。病院によっても異なりますが、病院で採精するよう指示されるところもあります。
⑤翌日、病院へ
タイミングがあっていたかどうかを見るために病院へ行き、排卵確認を行きます。
このような流れで人工授精を行います。着床するまでには、約1週間。月経予定日頃には妊娠判定が可能になります。妊娠していた場合は、妊娠5週頃で胎嚢が確認でき、6週頃には心拍が確認できます。この心拍が確認できると、妊娠成立となります。
●人工授精の妊娠率
人工授精の妊娠確立は5~10%と言われています。人工授精という名前だけに大きく期待されがちですが、確実に妊娠するとは言い切れないのです。
病院によっても様々な考え方がありますが、人工授精を5クールしても妊娠に至らない場合は、体外受精へとステップアップすることがあります。もちろん、夫婦間での話し合いや病院と相談しながら納得する方法を見つけていきましょう。不妊治療は必ずステップアップしなければならないということではありません。不妊治療をさんざんしてきたのに、止めたら妊娠したという声も聞きます。治療は体の心も負担がかかります。なので、人工授精でうまくいかないから、必ず体外受精をしまくてはならないというのではなく、少し休んで夫婦間でタイミングをとるだけにして休むことも大切です。
なるべく、ストレスによる心の負担が少ないように、家族で協力して納得のいく不妊治療にあたってもらいたいです。