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抑えられない美意識:思春期編

10代に突入したあたりから、人間はいわゆる巷では思春期、また、専門用語では第2次反抗期という、とても扱いにくい、かつ壊れやすく繊細な時期に突入します。そして、この時期に初めて異性を対象とした美意識が生まれるとも言われています。

 この思春期において、最もドラマチックな出来事というのは、男女それぞれ、その性別に応じた身体的な変化が、出現し始めるということではないでしょうか?この時期に初めて、ショックを受けつつも自分は子供という生き物ではなく、女性あるいは男性の人間という生き物だったのだと自覚し始めるわけなのです。

 それと同時に、今まではそんなに意識していなかった髪型や体型が、急に気になり始める時期なのです。ちょっと大人っぽい、不良っぽいものに憧れたり、TVや雑誌の人の真似をしてみたり等と、皆さんも覚えたいると思うのですが…。思春期において、男の子にとって重要な事は「かっこいい」、女の子にとっては「かわいい」、そして男女共通して「大人っぽい」存在であると、周りから認めてもらうことなのです。

 そんな、大人になってしまえば吹きだしてしまうような事、例えば髪型1つが、生死にかかわるほど重要な問題、今後の人生を左右する大切な決断の1つになり得るのです。だから、扱いにくく繊細な年頃だと言われているのです。

 たまたま読んだ体験談から、その繊細でかつひたむきな、思春期の美意識を紹介したいと思います。その15歳の男の子は学校でも人気のある、某サッカー選手と同じ髪型にしたいと、床屋さんに、恥ずかしそうにそう伝えたそうです。
 でも、でき上がって鏡を見ると何となくそれっぽいが、でもあの某サッカー選手のような髪型にはなっていないと思ったそうです。このままでは学校に行けないので、仮病で1日学校を休んでインターネットで何が違うのか調べてみたそうです。そのサッカー選手が特定のヘアクリームを塗ってることが判明して、こっそり同じものを買いに行ったとのことです。

 同じ年齢でも、女の子の場合はもっと深刻のようです。美容院で、前髪はどうしますか?と聞かれ、どうしようか悩んでいたそうです。30分くらい美容師さんに相談した結果、じゃあ1センチくらい切っておく?と聞かれ、はいと答えたそうです。
 でもとても不安になって、やっぱり5ミリくらいでいいですと答え直したそうです。ようやく、5ミリに決断し、出来上がって鏡を見ると1センチくらい切ってあるように思えた女の子は、真っ青な顔で、よろめきながら家に帰ったとのことです。そして、5ミリと言ったのに…と、このままでは学校に行けないので泣きながら夜を過ごした挙句、前髪があと5ミリ伸びるまでは、ピン止めでごまかすことを決断したとのことです。

 このように、突如目覚めてしまった美意識は、10代においては生きる意味のすべてといっても過言ではないのです。その理想への追求というのは、大人である私達は忘れてしまったけれど、1寸の狂いも許されないほど気高いものなのです。この純粋で誇り高い生まれたばかりの美意識は、やがて、大人になるに従い、緩和されて、時には忘れられてしまうけれど…。
 あの時の気持ちを忘れずに、20代30代、そして、40代と過ごしていくことができたとしたら、きっと素敵なことなのかもしれないと、ふと、鏡をみながら思うのです。