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日本と海外では制作費や開発費が違う理由

テレビ業界やゲーム業界において、必ずネックとなるのが開発費や制作費です。この制作費や開発費が少なければ少ないほど、規模の小さな作品となってしまい失敗する確率が増えます。しかし、海外では潤沢な資金のもとで活動ができてしまうのです。そこで、その差がどうしてそこまで産まれてしまうのかを考えていきましょう。

■分母が違いすぎるから

色んな理由があるでしょうが、最大の理由は分母の数が違いすぎるからでしょう。開発費や制作費はどれだけ回収できるかによって規模が変わってくるものなのですが、アメリカでつくられたものの場合は日本と同じ考えであったとしてもかけられる費用は倍以上となってしまいます。その最大の理由が分母の差です。

例えば、アメリカで制作した作品をアメリカ国内の0.1%に売れれば御の字と考えていたとします。この場合はだいたい32万人ということになるのです。しかし、日本の場合は0.1%に売れれば御の字となると12万人となってしまいます。この時点で2倍以上の差があるのです。

さらに、英語作品として作った場合は英語圏での発売も視野に入れることができるでしょう。そうなると英語を話せる人もターゲットとなってくるので一気に分母が増えます。一説には約17.5億人が英語を話せると言われており、その0.1%がターゲットとなってくると175万人となって大ヒット商品として考えることすらできるようになってきます。

今では映画もゲームもドラマもダウンロード販売が基本ではありますが、自分たちが理解している言語に対応しているのかどうかは非常に重要であり、対応していない作品はどうしても敬遠されてしまうのです。

そのため、英語作品として売りに出した商品は最初からターゲット層が日本と比べて圧倒的に広くなっているので、開発費や制作費が多少大きくなったとしても元がとれる確率が高くなっていると言われております。

■海外をターゲットにしないといけない時代になった?

これらの意見を統合すると、海外にも視野向けて販売を展開していく必要があるかもしれませんが、言うは易しで行うのは難しとなっているのが実情であり、なかなかうまくいっていない状況が続いております。

市場を広げることで、開発費や制作費を回収する方法は重要と言えるのは間違いないですが、内弁慶ぶりを発揮して日本のカルチャーを世界に向けて発信することに成功しているのはごくわずかだと言われております。

台湾などでは日本のドラマは大人気であり、日本人よりも日本のドラマや文化に詳しい人もいるようですが、それ以外の国々ではドラマで大成功したという話はあまり聞きません。アニメや漫画といったものは海外で人気があるものはたくさんありますが、映画・ドラマ・ゲーム・音楽といったものとなるとなかなかうまくいっていないが実状でしょう。

日本語圏に住んでいるのだからしょうがないと言えるのですが、これからもこれらの分野は苦戦を強いられることとなってしまうと思います。