日本に鳴り物入りで登場したユニバーサル・スタジオジャパンですが、初年度以降は不祥事が相次いだことで入場者数が激的に減り、見限られたとすら言われるようになりました。しかし、今ではV字回復を果たして東京ディズニーランドを抜いたとすら言われているのです、いったい何が変わったのでしょうか。
■ハリーポッター効果だけではなかった?
多くの人たちにとってV字回復した理由を尋ねるとハリー・ポッターのアトラクションを追加したことが大きいという答えが返ってくると思いますが、実際にはそれ以外の効果も大きかったのです。
オープンした2001年にはかなりの集客力を誇ったものの、相次ぐ不祥事によって信用度が無くなり客足も遠のいてしまったのです。2004年には経営破綻に追い込まれていたため、日本では失敗に終わったと多くの方が嘆いておりました。
しかし、数々のブランドを成功させた実績がある人が来てから激的に状況が変わります。例えば、子供向けのアトラクションを一ヶ所に集約して子供たちでも遊べるエリアを作成したり、古いアトラクションを効率的に再利用することでお客の呼び込みに成功し始めます。
2011年は東日本大震災によって日本全体が自粛ムードとなってしまったのですが、関西の子供は入場無料とする特殊なサービスを実施したことも大きかったのでしょう。
特殊なイベントとして「ハロウィーン・ホラー・ナイト」を開催したのも大当たりして、今ではハロウィーンといえばUSJとすら言われるようになり、ハリーポッターのアトラクションが登場する前から上昇気流を作ることに成功します。
この改革を成功させた秘訣は消費者視点で価値観と仕組みを変更させたと解説してくれておりますが、当時は当たればよいけれど外れることもあるというある意味賭けに近いビジネスを行っていたとのことだったので、大きな革新といえたのでしょう。
■消費者視点になったからこそ巻き込む力が強くなる
消費者視点が強くなるということは、人々が求められていると思ったものを多く導入するというシステムになります。そのシステムの一つとなっているのが今のUSJを代表とするコラボレーションでしょう。人気ゲームの「バイオハザード」「モンスターハンター」とのコラボを実行して大成功を収めましたし、人気アニメの「ワンピース」や「進撃の巨人」とのコラボでも非常に注目を集めました。
この流れに乗って映画「ハリー・ポッター」のコンテンツが登場したので、今までの人気を不動のものとするには十分なものとなったのでしょう。
人々は一部の人気コンテンツさえあれば興味を持つものなので、様々なものとコラボをすることで集客力は上昇するものなのです。しかし、そのコラボのレベルが低すぎると失笑されてしまうものとなってしまうので、コラボを再現するだけではなく満足するコンテンツを提供することができていることも光る要素と言えるはずです。
このスタイルをUSJが崩さなければ、「西のUSJ東の東京ディズニーランド」という二大巨頭の立場はゆるぎないのではないでしょうか。