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タバコマナー改善で喫煙所を減らすのはミス?

■タバコを吸っている人は減っています。

厚生労働省とJT全国喫煙者率調査から提示された「2016年全国たばこ喫煙者率調査」を見てみると解るのですが、昔と比べると喫煙率は非常に下がっております。このデータでは昭和40年頃からの推移が見られるようになっているのですが、成人男性の平均禁煙率を見ると昭和40年以降のピーク時では83.7%もあったのに対して今では29.7%と50%も減少しています。

昔は男の人なら10人に8人は吸っていたのに、今では10人に3人しかすっていないということです。女子は横ばいですが吸っている人口比率を考えても昔よりもはるかに少ないことが分かります。

その理由は色々あるでしょう。タバコの値上がり、健康面での悪影響をひたすらメディアで報道する、タバコのマナーが厳しくなる、お金に余裕のない人の増加等々想像できるだけでも一杯言葉が出てくるものです。

このように明確な喫煙者の低下から、多くの方は「喫煙所のスペースはもったいないから撤去してほしい」とか「喫煙所の数は減らしたほうがいいのでは?」とか「ある程度マナーがある人も増えたし喫煙所はぼちぼち減らしてもOKでは?」という意見が出てくるようになるのですが、その行動がマイナスに働いてしまっているケースがあるようです。

■喫煙所の撤去でマナーとして最悪なポイ捨てが増加する

これも実際にあった話のようですが、東京の渋谷駅のハチ公前広場にあった喫煙所2カ所が喫煙者が低下したことと再開発に伴って撤去されました。その結果待ちの人たちやそこを通る人たちからSNS等で「タバコの吸い殻が圧倒的に増えた」とか「ポイ捨てが急増したから喫煙所を戻してほしい」という意見が多発するようになったのです。

タバコを吸う人間が減ったということも原因に会ったようですが、再開発で国道246号の拡幅整備が必要になり、西口にある公衆トイレが喫煙所にあった場所に移設することになったというのが背景のようです。これは前々から決まっていたことで、喫煙者には「モヤイ像周辺の喫煙所を利用してください」といった張り紙案内を行っていたとのこと。

しかし、灰入れがなくなったことで何とかしてタバコを吸いた方々はポイ捨てを実行するようになってしまったのでしょう。もちろん、ネット上では喫煙所を撤去したらそうなってしまうのは当然だという意見も出ておりますが、タバコを吸う側のマナーが結局は改善されていないことを非難する人も非常にたくさんいました。

タバコのマナーが厳しくなり、喫煙者が端っこに追いやられている現象を多少はかわいそうに思えてしまいますが、ポイ捨てが増加してしまって街の景観を破壊するような行動が増えてしまった場合は、かわいそうという気持ちよりもマナーがなっていないことに対しての怒りのほうが気持ちとしては先に出てきてしまいます。

喫煙者が減っているとはいえ完全に0になったわけではありません。喫煙所も簡単に減らすのは避けたほうがいいのでしょう。皆さんはどう思いますか?