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ベータマックス事件を皆さんも覚えてほしい

4Kテレビの登場による録画機能に規制がかけられるかもしれないとちょっとした騒ぎになっておりますが、これはベータマックス事件に似ている部分が多々あるのです。今回はこの録画にまつわる問題として参考になるベータマックス事件を知ってほしいと思います。

 

■ビデオ録画は間接的に著作権違反だから廃止すべし

 

ソニーが発売して世界中に大ブームとなったデジタルビデオ録画機に対して、有名映画界者たちが「ビデオ録画は間接的に著作権違反だから廃止すべし」と訴訟提起を行ったのがこのベータマックス事件です。

 

このビデオ録画機能というのは本当に画期的で、爆発的な普及をはたし、多くの方々が存在をありがたがり世界的に有名な商品になりました。そのような状況を歯ぎしりしながら見ていたのがこの映画業界です。

 

彼らの考え方の中には「無料絵放送される映画を録画される状態になるのなら、映画館に来る人間が激減するからビデオ録画をどうにかして廃止しよう」というものになります。この判決は実はものすごい接戦で、第一審では著作権侵害に当たらないと地方裁判所ではソニー側が勝利しましたが、控訴裁判では逆転されて、最高裁判所ではさらに逆転になり、5対4と本当にギリギリのところでソニーが勝利したのです。

 

ビデオ録画機を販売しているソニーを訴えてこの録画機を消滅させることに成功すれば、非常に効率が良いという考えからきているのでしょうが、本当にソニーはぎりぎりの勝利となってしまいました。最高裁判所でも2年の月日がかかっていたのでどれだけ判断に苦しんでいたのかがそれだけでも予想できます。

 

■この裁判の結果は「使う人次第」となる

 

この裁判は著作権に主眼が置かれておりましたが、裁判所の最終的な判断は、「録画をして販売したら違法だけど、自分で見るなら特に問題はないだろう」というものになります。つまり、使う側が正しく使うのなら違法になるものではないからセーフになるという理論です。

 

これは、ダイナマイトや包丁といったモノと一緒です。もともとダイナマイトだって戦争に使うものではなく炭坑や鉱山で活用してもらい命が救われると思って作られたものだったのですが、その威力から戦争で使われるようになってしまって「死の商人」という扱いを受けるようになります。包丁だって料理に使うのなら何の問題もないですが、人に向けたらアウトになると言えるでしょう。

 

ちなみに、ビデオを潰すことができないと理解した映画会社は自分たちの映画をビデオ販売する方法を思いつき、多額の利益を上げているので、はっきり言って訴えて勝ってしまった場合、大損したと言えると思います。

 

■短期的損失にばかり目を向けてはいけない

 

テレビ業界を守るために、録画機能を廃止しようと努力をしているようですが、その努力ははたして本当にテレビ業界を守ってくれるものとなってくれるのでしょうか。もし、4K放送に録画機能が無くなってしまったのなら、大きな不利益がテレビ業界を襲うことになるかもしれません。