Home>ビジネス>人々の「これじゃない」にならないように
ビジネス

人々の「これじゃない」にならないように

あらゆる商品や製品が作られる背景には、その商品や製品を求めるユーザーがいるから作られます。そのユーザーが多ければ多いほど、好評になれば好評になるほど、人気商品として大勢に求められるものとなるのです。しかし、中には「違う、これじゃない」という商品も出てしまいます。

■違うこれじゃないと多くの人が思ってしまったOS

パソコンを使っている人たちなら多くの方々が愛用しているWindowsですが、このWindowsにもいろんな種類があります。XP以降にはVista、7、8、10と4つもあります(8.1は例外)。そんなOSではありますが、この中にも「このような機能は求めていない」と言われて不評となってしまったものもいくつかあるのです。その代表的なものが8と言われております。

このWindows8が出てきた時代はいわゆるタブレット端末が大流行し始めた時代です。このタブレット端末さえあればノートパソコンは不要と考える人が急増するようになり、パソコン業界では未曽有の危機感を覚えていたと言われております。そのため、パソコン側もタブレットと戦える武器を求められるようになったのです。

その結果、一部の人たちからはギャンブルとすら言われていたWindows8が作られて売られるようになったのです。しかし、タブレット端末における機能を追加したのはいいものの、パソコンのユーザーからは「そのようなものは求めていない」という意見が相次ぎ不人気の烙印を押されます。

会社側からするとこのOSに対する自社評価を出しているわけではありませんが、発売から2年もたたずに販売を終了しているので、あきらめるのが異常なまでに速かったことが分かっております。

■どのような理由で不人気になったのか

人によっては使い勝手が良いとか慣れれば使えるという評価もありましたが、それでも多くの方から不評をもらってしまっているのです。もちろん理由があります。

それらの意見をまとめると、「タッチ機能はいらない」とか「スタート画面が必要ないしスタートボタンが無い」といったものでタブレット端末に対抗して造られたと言われている機能が軒並み不要と言われてしまったのです。アナリストの意見として多かったのが「タブレットとパソコンの橋渡しができなかった」というものなので、多くの方々がそのように感じていたのでしょう。

いわゆる、タブレットを意識してそちらの機能を導入したのはいいものの、パソコンを購入するユーザーは最初からマウスとキーボードを使うことを前提にしているので、それらの機能はいらないと感じていたのです。キーボードなどの機能を優先せずにタッチ操作体験を提供することに熱中になりすぎたのが失敗の理由と解説する人もいます。

■その前のOSの人気が高かった

このように求められている人の考えと、販売者側の考えがかい離してしまうことで、多くの方々から非難を受ける商品となってしまいました。多くの企業はXPを使った後にVistaの悪評を聞いてうつらないで我慢し、7の好評ぶりを聞いてうつり替え、8の悪評を聞いて足踏みをするというスタンスを実行することになります。

つまり、評判が悪いならばスキップしようという人々がたくさんいたということです。実際に10が発売されることで、7からそちらに移行した人々はたくさんいます。前の商品が一定以上の評価をもらっていると、なかなか乗り換えがスムーズにいかなくなるものなのです。