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新しい働き方 在宅業務編

アメリカのシリコンバレーの巨匠達の業績は、経済界を始め、地域社会、学校、何気ない日常生活を遥かに便利で効率のいいものへと革命的に導いてくれた。今日ではパソコンを使えて、親指操作でスマホを扱いこなすことなど、あたりまえすぎていて、誰もその存在を疑問にも思わない時代である。
 最近このパソコンの利便性において最も感動したことは、これまで手間と時間さらには費用をかけて用意していた履歴書が、いつでもパソコンを使って、よくあるキャンペーンの見出しではないが、実質0円で送信できるということである。特に履歴書の消費量が、一般的なレベルで上位にランクインしてしまう人達にとってはおそらく、直接そのシリコンバレーの開発者達にお礼を言いたいところであろう。
 面接にしても、同様に今はスカイプでたとえ遠く離れていようと可能だというのに、未だにお互いの大切な時間や経費を削ってまで、履歴書の現物の用意と対面での面接を希望する場合が大多数を占める。これは現代の七不思議の1つでもあるが、反面パソコンの利便性を活用した新しい業務形態というのは徐々に浸透しつつあるようだ。子育てや介護などの事情で通勤することが難しい人達が増加傾向にあり、若手世代の減少による人手不足、さらにはシリコンバレーの成果が背中を押して、それぞれの事情に応じた、自宅での仕事を推奨する企業が増えていることが新聞等の記事でもよく見かけるようになった。面接や履歴書に関してはITの侵入を許さない企業だとしても、やはり現実的な業務の停滞には耐えがたい企業が、事務系の仕事やデータ入力、コールセンター業務、プログラミング、ライティング、デザイン関係など、自宅でパソコンを使って業務を継続することで休職や退職を踏み留めてもらおうということが、きっかけだったらしい。
 そして、ここ2,3年の間には新しい就職の形として、在宅勤務というジャンルがあらゆる求人誌に登場し始めた。やはり、パソコンでの業務が可能な事務系、データ入力、デザイン系などがメインではあるが、特記すべきことは、時代のニーズに沿ったWEBメディアの在宅ライティングや、オンラインサービスの問い合わせの需要から生じた、コールセンターの在宅勤務などの新しい職種が確立され、在宅勤務の普及に滑車をかけていることである。
 その在宅勤務においては、その業務内容や就業期間、スキル面などで雇用形態の差異や給与の大小は様々であるが、共通して家から1歩も出る必要はなく、面接、採用、業務説明、連絡事項のやり取りなど、すべてオンライン上で行うことが可能なのだ。ここでは1円の費用もかけず、個々の事情に合わせて仕事を進めることができる。時には、業務をこなし収入を得るまでの間に映像を通してご対面するどころか、一言も話すことなく、メールのやり取りのみで完結する場合もある。
 この新しい職業としての在宅業務は、就業側におけるそれぞれの切実な事情を考慮できるというだけでなく、地価高騰と職場の維持経費、交通渋滞、女性の社会進出による少子化、高齢化社会における介護のニーズ、職場で生じる人間関係の問題などの深刻な社会問題を解決する、または軽減するものとして現れた時代の救世主と呼ばれたとしても、おそらく誰も否定はできないだろう。