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熟年離婚について

長年連れ添ったパートナーとの別離を「熟年離婚」と呼ぶようになって久しいのですが、熟年離婚の実態について調べてみました。
厚生労働省の「離婚に関する統計」を引用してみます。10年ごとの統計なので最新は平成21年と少々古くなります。

① そもそも離婚件数はどうなっているのでしょうか?
平成25年まで15万組の年間離婚件数でしたが、右肩上がりに増加していきます。平成12年に20万件を突破して30万件近くまで増加します。その後は平成20年で25万件まで微減します。さらに平成29年は21万件と減少しています。

② 「日本の夫婦の3組に1組は離婚している」これって本当なの?
年間に結婚するカップルが約60万組で、離婚する既婚者は20万組。よって3組に1組は離婚しているとの説明は大きな間違いです。過去に結婚している既婚者カップルが分母にならないと正確ではありませんね。

③ では、熟年離婚はどうでしょうか?
熟年を何歳で、結婚から何年の経過なのか明確な定義は無いようです。目安ですが、50歳以上を熟年とする離婚状況を調べてみました。
離婚率が最も高い年齢層は男性・女性共に30歳~34歳。結婚年数は5年から10年が最も高くなります。一方で55~59歳の熟年世代は離婚率が下がっています。熟年離婚が増えているようなイメージですが、統計数字からは増加していませんね。

④ 熟年離婚のメリット・デメリット
「離婚する際にメリット・デメリットも考えていられない!」かもしれませんが、今後の生活への影響もあるので冷静に考えていきたいですね。
離婚原因が「性格の不一致・暴力・借金・浮気」などによってメリットも異なります。全体で言えることは、離婚することによってパートナーとの縁を断ち切ることができます。人生80年時代の中、50~60歳で離婚した場合、残り20~30年の間の閉塞感より自由を選びたいですね。
デメリットは経済的負担が挙げられるでしょう。住居は別々になるので負担増、食費・光熱費も一人暮らしは割高です。日本の年金制度は、夫婦二人で生活することを前提に設計されているのでシングルは厳しくなります。

⑤ 子どもを納得させられるか?
熟年世代の子どもは年齢的には20代前後以上でしょうか?おおよそ社会人になっている年代かと思います。夫婦の関係性に気づいていれば反対もされないでしょう。
そんなに深刻であったの?とか世間体を持ち出されると反対してくるでしょう。大切なのは、これからも夫婦関係を継続して行き難い説明を根気よくすることだと思います。夫婦の縁は切っても子どもとの縁は切らない方がいいです。なぜなら、今は皆さん元気ですが、自分が老いていく過程で子どもの力は必要になります。

熟年離婚について統計数字から説明しましたがいかがでしたか?離婚が増加しているように錯覚していましたがそれ程ではありませんね?熟慮の末の決断なら致し方ありませんが、「熟年離婚が増えているから私も・・・」との考えがあるようでしたら後悔しそうに思います。