LGBTという言葉は近年急速に普及していき、色んな年代の人が性別問わず知るようになってきました。しかし、全てのセクシュアルマイノリティの人がLGBTのどれかに当てはまるというわけではありません。
どれでもないけれど、何かがわからないという人も一定数います。
そういった人達は自分がLGBTのどれにも馴染めないことを悩み、葛藤することもたくさんあるため、LGBTQという言葉が誕生しました。
Qの意味はQueer(クィア)とQuestioning(クエスチョニング)を表しています。
Queer(クィア)はセクシュアルマイノリティ全般のことを指しています。そのためLGBTの中に該当しない人のためにある言葉とも言えます。また、なぜQuestioning(クエスチョニング)という表現もしているのかというと、これは性自認が曖昧であったり、そもそも自分が何かということを決める必要はないのではないか、という意識のある人もいるからです。必ず何かの性に分けられる必要はない、という表現としてとらえてください。
こうした考えは昔で言えば変わり者扱いされてきました。
しかし、現在では考え方も人のあり方も性のあり方も全てが変わってきています。だからこそ、あえてQと自分を分類するのも間違いでも悪いことでもありません。異性間の恋愛だとしても100人いれば100人の価値観や想い、性のあり方など多様にあります。それらが自分と少し違うからと言って否定することはできませんし、みんなそれぞれの中に自分らしさというものを秘めています。
セクシュアリティの問題で悩んでいる人の多くが「自分が何者なのかわからない」「体や心に違和感を感じる」といった部分で悩んでいます。そのため、LGBTQという言葉が存在することは自分が何なのかがわかり安心できますし、その言葉を知っているだけで仲間を見つけたような嬉しさを感じられます。
そして、LGBTQという言葉は日本だけではなくて、世界に広がっている言葉なので、例えばLGBTQのイベントに参加してみたり、同じ境遇の仲間を探してみるともっと世界は広がります。
性のあり方と同じように、人の感情というのも多様であり、自由です。
自分を否定せずに自分を尊重し、相手を尊重し、自然に暮らしていけるようになることが理想です。
そのためには、自分は少数派ではあるけれど、何もおかしなことではないと理解すること、そして周りの人間は言葉で切り分けることは簡単だけれど、一人一人状況や感情は違うということを理解することがとても大切です。
どちらか一方だけの気持ちを尊重するのはエゴになるので、きちんと両者が尊重し合える環境づくりがポイントです。
自分を自由に表現することは最初のうちは怖いかもしれません。
しかし、周りの協力や同じ境遇の仲間と出会っていくうちに自分の性のあり方に自信が持てるようになってくるので、そこからが本当の自由との出会いになります。
