システム運用保守

現代ではインターネットのみならず、あらゆる業務やサービスがコンピューターを通じて行われ、プログラムなしにはまともに仕事を行うことが難しくなりつつあります。

一方でそういったシーンで用いられる、プログラムやシステムもまた人間が作ったものです。
使用を重ねていったり新しい使い方やプログラムが導入されることで、これまでは問題なく稼働していたシステムにバグや不具合が生じることもあり、突如として正常な動作が失われてしまうこともあります。
こういった場合に対処の役割を担うのがシステム運用保守を担当している人たちです。

インターネットを介したサービスであれば、例として想像しやすい事故としてはサーバーの不具合による接続障害が挙げられます。
サーバーのキャパシティを超えるアクセスで回線がパンクしたり、第三者による不正アクセスによってサービスの利用に支障をきたすという事例は、様々なシーンで目にすることはありますし、事前に対策していても起こってしまうケースなのです。

障害が発生した場合は、システム担当者の中でもシステム保守担当が問題に対応し、障害そのものの発見と障害の原因特定、そして解決へ導きます。
障害への対応は少しでも早いシステムの復旧が待たれますので、時間との戦いを迫られる役割とも言えます。

障害への対応は当たり前ですが障害が発生してから行うもので、いわば後出しの役割です。
システムを運用していく上で最も望まれるのは障害の発生しないシステムの構築ですが、障害の発生を抑制し、少しでもスムーズな運用を行えるように、日常的に取り組む必要があります。

システム保守の仕事は障害の復旧だけでなく、普段からのシステムアップデートやバグの改善により、業務やサービスに深刻な障害が出てしまわないようにメンテナンスを行うのも彼らの重要な役割の一つです。

予測できないトラブルへの対応は確かに起こってしまうものではありますが、その可能性を少しでも潰し、業務の平常運転を支えられるよう改良を重ねていくことは、安定したサービスや業務には欠かせない取り組みと言えます。

また、システム保守とよく分けて説明されるものとして、「システム運用」という役割も存在します。

システム運用もシステム保守も基本的にはシステムエンジニアがどちらの役割を担うことが多いのであえて分ける必要もないのかもしれませんが、一般的に二つを区別する際に挙げられる特徴としては、システム運用は日常的なシステムの取り扱いを担当し、システム保守は非常時の際の取り組みであると言われています。

システム運用は主に基本的な業務の遂行を支えたり、サービスの提供をします。
例えば、ソフトウェアの起動・停止、データのバックアップや出入力をしたり、マシンの電源を管理したり、システムの監視など、開発や復旧とは違って日常的な作業労働の多い役職です。
そのため最近ではシステムの運用と保守を分けて担当が割り振られるよりも、兼任という形でこれらの業務を担うことも多く、システム開発から運営、障害からの復旧、障害対策の全てを担当するエンジニアも存在するのです。

システム保守そのものより、システムエンジニアやシステム担当という見方をした方がどちらかというと現代的なのです。